東京オリンピックの最終聖火ランナーを務めるのは誰なのか?
多くの人が期待に胸を膨らませていた。
事前の予想では、国民から圧倒的な人気を誇る米大リーグで活躍したイチロー氏や
フィギュアの羽生結弦選手などの名前もあがっていた。
しかし、森喜朗氏(前オリンピック組織委員会会長)が「女性蔑視発言」で辞任騒動を引き起こした経緯から、「東京オリンピックの最終聖火ランナーは女性を起用する」事になっていたんだと思う。
女性の元オリンピック選手から選択するなら、「Qちゃん」の愛称で知られる高橋尚子氏、「ヤワラちゃん」の愛称で親しまれた谷亮子氏などが考えられたが、結果はテニスのメジャー大会を何度も制している「世界的アスリート」である大坂なおみ選手だった。
なぜか?
小山田圭吾氏と小林賢太郎氏が「多様性と調和」に相反する過去の言動で国際的なイメージを低下させた為、それを払拭するには「多様性と調和を象徴した女性」でなければ「最終聖火ランナーは務まらない」と、組織委員会が判断した結果なんだろう。
国際オリンピック委員会(IOC)と東京五輪組織委員会は24日、都内で会見。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは、23日の開会式で聖火ランナーの最終走者を務めた大坂なおみの起用について「誰を最終走者にするかという協議は、長時間行われた。多様性と連結というのが東京大会にとってもとても重要なメッセージ。こういう議論の中で起用が決まった。我々としても、日本の新しいイメージを届けられればと思った」と改めて説明した。
開会式のクライマックスで吉田沙保里氏と野村忠宏氏の二人がスタジアムにまず登場した事で、最終聖火ランナーはゴールドメダリストではない事が伝わった。
そして、長嶋茂雄氏と王貞治氏という日本スポーツ界のレジェンド、平成のスーパースターである松井秀喜氏が登場して、コロナ禍の日本を支えた医療従事者の2人に繋ぎ、岩手県・宮城県・福島県の東日本大震災の被災地から来た子供達を経て、最後に大坂なおみ選手がトーチを受け取った。
今思えば、「白血病から復帰」を遂げた競泳の池江璃花子選手も、最終聖火ランナーの候補の1人だったと思う。確かに東京オリンピックの顔と言えば池江璃花子選手という感覚が国民の間にも広がっていたからね。
しかし、どんなに人気を有していても池江璃花子選手では残念ながら世界に「多様性と調和」のアピールをする事は出来ないと組織委員会が判断した。
大坂なおみ選手は誰もが認める「世界的アスリート」として実力を持ち、「多様性と調和」を全世界に発信する力を有しており、これ以上の適任者はそうはいないだろうね。
そして、これからの日本で一番重要視されるコンセプトは「多様性と調和」である事を、東京オリンピックの開会式で表現されたのだと思う。