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デルタ株の恐怖!集団免疫の獲得は幻想か?

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昨年、新型コロナウイルスの感染が広がった際、世界中の多くの人々は、「ワクチン接種による集団免疫」への期待を抱いていた。人口の一定割合がワクチンを接種するか、過去の感染を通じて抵抗力を得れば、パンデミックが衰退し、やがてほぼ消え去るとの見方だった。

 

しかし、デルタ株の出現が人々の希望を絶望に変えてしまった。

 

デルタ株は主要感染経路の飛沫に含まれるウイルス量が従来株より多く、感染者の周囲にいる人がウイルスを含む飛沫を吸い込む危険性が高まる事に加え、吸い込んだ後は免疫をすり抜けてヒトの細胞に結合しやすく、更に「ワクチン接種済みなどであっても感染」する事がある。恐ろしいほど感染力が強い。まるで悪魔のようだ。

 

十分な数の人が新型コロナへの免疫を獲得することで感染急拡大が止まるといった「希望」は、デルタ株によって見事に打ち砕かれた。

 

 

 

メイヨークリニック(米ミネソタ州ロチェスター)のワクチン研究グループディレクター、グレッグ・ポーランド氏は「われわれは集団免疫を獲得するだろうか?いや、当然ながらそうなる可能性は極めて低い」とし、ワクチン接種率が95%に達したとしても集団免疫は達成されないと指摘した。

 

「免疫突破の能力を得た、これまでより高い感染力のある変異株の広がりとワクチン接種率のいたちごっこだ」と語った。

 

自然免疫も問題解決にはつながらない。コロナ感染で得られた自然免疫がいつまで続くかは不明で、新たな変異株に対して有効かどうかも分からない。将来現れる変異株はデルタ株よりさらに効率良く免疫を突破するケースもあると考えられ、これがどんな形でいつ終わるのかという疑問が生じる。

2021年8月16日

www.bloomberg.co.jp

 

 

 

はっきり言って、もう終わらないだろうね。

 

最近ではデパートの地下食品売り場といった、出入りする人がマスクをして一定の感染対策をしている場所でもクラスターが発生している。家庭内では誰かが持ち込めば、家庭内感染で家族全員が感染者になる状況も頻発している。

 

ウイルス感染症では、感染力の強さと病原性の高さは反比例するとされている。つまり、感染しやすくなるほど、重症化率や致死率は低くなると言われてきたのだが、デルタ株は違う。

 

ウイルスは感染した人の体を間借りする事でしか生存できない為、感染した人を死なせれば、自らの生存環境を失う。ところが、デルタ株の出現によって、この希望的観測は完全に打ち破られた。

 

デルタ株には特徴的な変異がある。その変異とは、ヒトの免疫の攻撃を回避する事が出来やすく、更にヒトの細胞との結合能力や結合後のヒトの細胞内へ素早く遺伝情報を送りこむ能力を有すると言うものだ。

 

ベータ株も免疫を回避すると言う特徴を有していたが、さほど大々的に広がっていない。これは、デルタ株ほど強い拡散能力を持っていないからだ。デルタ株には、「拡散を手伝う変異と、免疫を部分的に回避する変異」が、両方備わっている。

 

ウイルスが感染力を増す時、「感染した人を死なせれば、自らの生存環境を失う為、弱毒化する必要がある」と一般に言われているが、残念ながらデルタ株にそう仕向ける進化上の圧力はほとんどない。なぜなら、感染した人が命を失うよりずっと前に、すでに次の人にとりついているからだ。