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マルチタスクはやめた方がいい。

 

マルチタスクについて、色々と考えてみた。

 

マルチタスクがダメな理由

 

例外的に優秀な人(認知能力が高く、注意力やワーキングメモリの容量が大きくて、効率的にタスクを切り替える事が出来る人)を除けば、普通の人は、同時に複数のタスクに注意を集中することができない。

 

そのため、マルチタスクを実行するときの脳は、複数の作業(タスク)を同時に処理しようとして、常に注意を向ける対象や情報を短い時間で切り替える必要がある。

 

これにより、脳は過剰な外部刺激(脳が処理する必要のある外部情報)を受けてしまい、大きな負荷がかかる。

 

 

 

更に、注意を向ける対象や情報の切り替えが頻繁に起こることで、脳のエネルギー消費量が増加して、疲労が蓄積されて、集中力や作業の効率が低下することが考えられる。

 

これが、注意の分散による切り替えコスト。

 

 

 

そして、マルチタスクを行う場合、脳がメインタスクに注意を向けている場合でも、サブタスクの情報が脳に入って来てしまうので、メインタスクの情報処理に干渉することがあり、それによって誤ったインプットをするミスが発生する危険性がある

 

これが、注意の分散による干渉効果。

 

 

 

時間を効率的に使うためにマルチタスクをすることで、一見すると生産性が高まるように見えるが、実際には「注意の分散による切り替えコスト」や「注意の分散による干渉効果」の影響で、脳が注意散漫の状態になったり、負荷がかかって疲労したりして、生産性だけではなく、クオリティも低下することが多い。

 

 

 

ゆえに、マルチタスクはやるべきではない。

 

 

 

 

マルチタスクを行っていると、一つのことに集中できない脳になってしまう

マルチタスクを長期間続けていると、脳が短時間でタスクを切り替えることに慣れてしまい、この状態が続くと、脳が一つのことに集中することが出来なくなってしまう危険性がある。

 

 

 

例えば、「ご飯を食べる」というシンプルなタスクでも、テレビを見たり、ラジオや音声動画を聴いたり、スマホをいじったりしながら行うことで、脳が多くの情報を処理しようとするため、食事に集中できなくなってしまう。

 

更に、食事中にテレビを見たり、ラジオや音声動画を聴いたり、スマートフォンを操作したりすることが「習慣化」すると、マルチタスク(テレビを見たり、ラジオや音声動画を聴いたり、スマートフォンを操作しながら、ご飯を食べること)が「恒常的」になってしまう。

 

そうなってしまうと、脳は「一つのことに注意を集中するシングルタスク」に戻ることが難しくなってしまう。

 

 

 

つまり、習慣化されたマルチタスクは、「シングルタスクに切り替える能力や一つのことに注意を集中する能力を弱める可能性がある」ということ。

 

また、マルチタスクを繰り返すことで、脳の報酬系が刺激され、マルチタスクをすること自体が「快感」をもたらすようになることもある。

 

このように、日常生活の中で継続的にマルチタスクを行っていると、シングルタスクに切り替えるための能力が低下し、マルチタスクをやめることが難しくなる。

 

 

 

マルチタスクが習慣化すると、恒常性維持機能が発動して、シングルタスクに戻れなくなる?

恒常性維持機能とは、身体や脳が自分を維持するために働く機能であり、身体や環境の変化に対して、内部環境を一定に保つことを目的として発動される。

 

習慣とは、何度も同じ行動を繰り返し行うことで、脳の神経回路が強化され、自動的に行動が行われるようになること。

 

 

 

自動化された行動(習慣)は、恒常性維持機能によって、「身体や脳がエネルギーを節約し、内部環境を維持するために行われるもの」とされている。

 

したがって、習慣で行ってしまう「日常生活の中でのマルチタスク」は、「恒常性維持機能が発動している」と考えられる。

 

つまり、「ご飯を食べるときにテレビやスマホを見ながら食べるという行動」は、「マルチタスクが習慣化して、恒常性維持機能が発動している」と考えられる。

 

 

 

恒常性維持機能が発動して、マルチタスクが習慣化している人は、たとえ「ご飯を食べる」というシンプルなタスクであっても、すぐに注意が散漫になって集中が出来ず、ついテレビやスマホに手が伸びてしまい、「ながらで食べる」ことになってしまう。

 

 

 

 

どんな時でも、マルチタスクよりシングルタスクの方が良い…?

マルチタスクよりもシングルタスクの方が注意力や集中力が高まり、効率的であり、結果のクオリティも高い…と思う。

 

シングルタスクを実行するときの脳は、一度に一つのタスクに集中することができるため、タスクを完了するための時間も短くなり、注意力の分散による「切り替えコストや干渉効果」を避けることができる。

 

また、シングルタスクの場合、タスクを完了した後に脳がリセットされるため、次のタスクに対してより高い注意力を持って取り組むことができる。

 

 

 

ただし、人生を生きる上で、常に「シングルタスク・バンザイ」で生きることは不可能だ。

 

時と場合によっては、複数のタスクを同時に実行することを求められたり、緊急性の高いタスクを、短い時間で同時に複数こなさなくてはならない状況も起こり得る。

 

なので、ある程度、マルチタスクに対応できる能力も身に付ける必要性もある、と思うので、マルチタスクの全てを完全に否定することは出来ない。

 

だけど、日常生活の中では、可能であるならば、シングルタスクを基本大前提にした方が良いと思う。

 

 

 

おまけ

マルチタスクが「不快感」を「緩和」してくれることもある。

 

例えば、半額弁当のような貧しい食事をするときに、テレビやYouTubeチャンネルを見ながら食べることで、娯楽や快楽的な刺激を得て、「惨めな食事」を「楽しい食事」に転換することも出来る。

 

テレビやスマホで見る映像によって、食事自体がより楽しくなる可能性がある。

 

また、掃除や洗濯が苦手な人にとっては、そのような単調な作業をラジオや音声動画を聴きながら同時に行うことによって、その単調さを払拭できる可能性もある。

 

特に、自分の好きなラジオ番組やYouTubeチャンネルの音声動画を聴きながら作業することで、「嫌いなタスク」や「面倒くさいタスク」を、「楽しいタスク」に「変えることも出来る」と思う。

 

ただ、そうは言っても、やっぱりマルチタスクは「注意の分散による切り替えコスト」や「注意の分散による干渉効果」の影響で、脳に負担がかかり、注意力も散漫の状態になって、結局は、生産性もクオリティも低下すると思うので、マルチタスクよりもシングルタスクの方が良いのかな~、と思う…今日この頃です

 

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