Laugh & be happy

臨床心理士と公認心理師の有資格者です♪

それは嘘ではなく、心がつくった現実。

男女間における性的なトラブルを考える上で一番難しいのは、当事者の主観的体験が再構成されることが、時に起きてしまうこと。

もっと具体的に言うと、一夜の性行為に対する意味づけが男女間で違った場合に、性的なトラブルへと発展する危険性が生じる。

 

たとえば、これは仮定の話だけど、中居正広は、一時的な性的快楽だけを求めていたけど、もし、女性Aさんが、情緒的なコミットを含む真剣交際の始まりだと認識していた場合、この解釈のギャップが、後に女性Aさんに対して強烈な心理的なショックになって現れる。

 

一夜の行為後に中居正広が冷淡な態度を取ったと仮定するならば、それは女性Aさんにとって裏切り体験(愛されると思っていたのに扱いが雑になったり、真剣交際のはずだったのに拒絶される)となり、彼女の心の中で、あれ(一夜の行為)は愛の営みだったという純粋な想いが崩壊する。

 

そして、この時の女性Aさんの心理は、「自分は性だけを利用された」という羞恥や自己否定の痛みに襲われて、心の防衛機制としての再解釈(あの一夜の行為は、その場では不同意の認識はなかったけど、後から「あれは不同意だった」と認識し直す)がされると、感情的記憶の書き換えによって、性被害を自覚することもある。

 

仮に、あの一夜の行為をするときは同意していたとしても、自分の尊厳を守る為に「同意した自分という記憶」が、無意識に否認や抑圧される。

 

これは嘘ではなく、「心の中で性被害に遭ったと言う主観的なリアリティ」が「心の中で現実」として形成されて、PTSDの反応が生じると言うもの。

 

臨床心理学的に見ると、これは「フリ」ではなく、実際にPTSDに近い反応が生じる。

 

このようなことは、カウンセリングの場で、しばしば見られる。

 

「実際に命の危険があったか」よりも「命の危険を感じたか」のほうが、PTSD診断において重視される場合もある。

 

ただ、気を付けないといけないのは、この種の心のメカニズムは、法律的な不同意性交の認定とは必ずしも一致しない。

 

なぜなら、裁判では「被害者が受けた心の傷」と「一夜の行為が発生したときの合意の有無」は切り分けて検討されるから。

 

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