心の中に抱いていた想い、二人きりで逢いたいという気持ちを、勇気を振り絞って彼女に告げた。
結論から言うと、彼女は了承してくれた。
まだ完全に成功したとは言い切れない。
けど、他のサークルのメンバーには内緒で、彼女から逢瀬の約束を手に入れることが出来た。
逢瀬って表現は、ちょっと大袈裟かな?
でもね、彼女と今度二人きりで逢えると思うと、心が躍るんだ。
これまで何度も話しかけるタイミングはあったものの、常に周囲には他のサークルメンバーがいて、なかなか気持ちを伝えることが出来なかった。
そして、ひたすらそのチャンスを待ち続け、やっとのことで彼女に伝えることが出来た。
そして、今度二人きりで逢えることになった。
とても嬉しい。
心が躍る。
でも、何かが胸に引っ掛かっている感じがするんだ。
何かが心の奥深くに佇んでいる。
喜びの裏に潜む不安の影。
それはまるで、明るい日差しの下で、ひそやかに雲が立ちこめるように、私の心を覆っていく。
その不安はまるで、迷宮のように、私の心の中を彷徨い歩く。
喜びと不安が入り混じり合い、私の心を揺り動かす。
ちょっと、ここからは、複雑な男心を吐露します。
※女性が想像している以上に、男心だって複雑なんです!
初めてサークルで彼女に逢ったその瞬間、私の眼前に広がったのは、本当に憧れのような光景だった。
彼女は、美しくて凛々しいオールバックにアレンジしたポニーテールを揺らして、自転車のペダルを漕いでいた。
内田有紀に似た目力のある表情を放ち、高身長で引き締まった肩から腕、そして太ももの筋肉が、とても逞しかった。
もちろん、女性らしく膨らんだ胸とウエストのくびれのラインは、まるで彫刻のような美しい曲線を描き、私の心を魅了した。
しかしながら、彼女とのコミュニケーションは容易ではなかった。
サークル活動の中で、なかなか交わることが出来なかった。
彼女がサークルに参加した日には、私は不在であり、逆もまた然りだった。
ずっと彼女の存在を気にかけていたのに、私の恋心は、すれ違いの日々に埋もれていた。
でも、今年に入ってからは、そのすれ違いは少しずつ解けた。
彼女と逢う機会が増えた。
逢う機会が増えるほど、私の心はますます彼女の魅力に惹きつけられていった。
自転車のペダルを漕いでいる時の彼女の表情は、自由奔放で、一見するとイケメンのような爽やかな眼差しを持っている。
でも、自転車から降りると、その横顔はまるで季節の移ろいのように私の心を彩り、恋愛感情を呼び起こしてくれるほどに、彼女は美しくて優雅な43歳の女性。
高身長の彼女が歩く姿は、草原を駆ける風のように優美で、女性なのに男性のような力強い雰囲気さえも漂わせて、空に向かってシュッと伸びた背中は、まるで荒涼とした夜の海に浮かぶ孤高の灯台のような異彩を放ち、離れた場所から眺めているだけで畏怖の感情すら喚起させる。
そんな近寄りがたいほどの存在だった彼女は、最初は、まるで高い塔のようにそびえ立ち、私を遠ざけた。
しかし、言葉を交わすと驚くほどに一変し、彼女の口から流れる言葉は、とても柔らかくて清らかで優しい。
彼女の声が私の耳に届くたびに、心地よい響きを奏でる。
最初近づきがたい存在であったがゆえに、彼女の優しい言葉掛けを聞くと、まるで時が静止したかのような感覚に陥り、気づいたら、その美しい笑顔に酔いしれる。
そんな彼女と、今度二人きりで逢えることは、とても嬉しいこと。
そうだよ。
嬉しいよ。
とても嬉しいこと…なんだけど。
それは、でもね…。
彼女に「二人きりで逢いたい」と告白することが出来たのだから、幸せなはず…だった。
でも、彼女の反応には少し違和感を覚えた。
私の告げた言葉に対して、彼女は驚きを示さなかった。
あたかも私の気持ちを察していたかのような表情を見せた。
その瞬間、私は内心で戸惑いを感じた。
果たして彼女は、私の告白をある程度予測していたのだろうか。
私は、ずっと彼女に近づくために懸命に努力してきた。
他のサークルのメンバーが周りにいるときでも、常に彼女に自分の気持ちを伝えるチャンスを探し求めてきた。
そして、ついにそのチャンスを手に入れ、彼女に自分の気持ちを伝えることが出来た。
そして、彼女はそれを了承してくれた。
それなのに。
ものすごく嬉しいのに。
心躍るのに。
私は喜びの感情だけではなく、なおも不安を感じている。
どうして、彼女は私と二人きりで逢うことを了承してくれたのか。
その真意は、まだ分からない。
私は、サークル活動中の自分の行動が、彼女に対して過剰だったのではないかという疑念が頭をよぎった。
最近の私は、彼女に対して卑屈になり過ぎていたのではないだろうか。
彼女に過剰に近付き過ぎてしまって、彼女に好かれようとして、好意的な言葉を掛け過ぎて、迎合し過ぎたのかも知れない。
だから、彼女と今度二人きりで逢えるのは嬉しいけど、ちょっと複雑な気持ちになっている…微妙に心が揺れている精神状態なのです。
女性のみなさん、ご理解いただけますか?
この複雑な男心を。
まぁ、だけど、彼女が二人きりの時間を許してくれたことは、とても喜ばしいことなんだから、グダグダ考え過ぎないで、もっと素直に喜ぼう!
ぼんやりとした悩みを振り払って、心から笑ってみよう!
これからの、彼女との二人の時間を楽しみにしよう!
彼女と一緒に過ごせるのなら、その瞬間に、胸が躍り、喜びが溢れる。
そう。
きっと、素晴らしい日々が待っているはずだ。
そうだよね♪
だから、せっかく、今度彼女と二人きりで逢えるんだから、もっとポジティブに行こう!
これからの、彼女との二人の時間を楽しみにしよう!
そうだよね♪
せっかく、今度彼女と二人きりで逢えるんだから、もっとポジティブに行こう!
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