新型コロナウイルスの感染者ゼロを目指すニュージーランドで、デルタ株の感染拡大が続いている。同国の「感染者ゼロ戦略」は、もはや実現性はないのか？
ニュージーランド（ＮＺ）のアーダーン首相は１７日、首都ウェリントンで記者会見し、新型コロナウイルスの市中感染者が確認されたとして全土でロックダウン（都市封鎖）入りすると宣言した。
確認された感染者は１人だが、世界的に猛威を振るっているインド由来のデルタ株が国内に流入したことを前提に厳しい措置を選択した。
ニュージーランドは「たった一人の新規感染」で、最大都市のロックダウン（都市封鎖）を決めた。しかし、その後の感染拡大に歯止めをかける事が出来ない。
ニュージーランドのアーダーン首相は２３日、全土ロックダウンを延長すると発表した。新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大がまだピークに達していないと説明している。
レベル４の全土ロックダウンを３日間延長し、２７日深夜までとする。震源地のオークランドは少なくとも３１日まで延長する。 同首相は「デルタ株でゲームのルールが変わった」と述べた。
ニュージーランド保健省は２３日、新たに３５人の新型コロナウイルス感染を発表した。デルタ株が確認されている今回の流行での感染者数は計１０７人となった。
ニュージーランドは約半年間、新型コロナウイルスの市中感染のゼロを達成していた。これは同国が、ウイルスの封じ込めよりも根絶（感染者ゼロ戦略）に注力した対策を実施した結果で、世界から称賛されていた。
しかし、感染力の強いデルタ株の脅威が、世界でも厳格と言われてきたニュージーランドの水際対策（ロックダウン）の限界を露呈した。
「8月17日に市中感染が一人」確認され、その後、緊急ロックダウンを実施したが「8月23日までに107人」に急増している。
これまで、素早く厳しいロックダウンを実施する事で新型コロナウイルスの流行を抑えてきたアーダーン首相は、「デルタ株が事態を大きく変えた」と説明した。
しかし、デルタ株はニュージーランドだけではなく、「世界の事態」を変えてしまった。
感染者1人から1週間で100人超・・・NZ外出規制延長へ(2021年8月23日)
