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PTSD(心的外傷後ストレス障害)と臨床心理士のカウンセリング。

 

PTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えている患者さんは、学校での「いじめ」や家庭での「虐待」などによって「慢性的な心的外傷」にさらされ続けた経験を有する。

 

ゆえに、誰と会っても警戒心を解くことが出来なくなる場合があり、家を出ることそのものが恐ろしいと感じる時もある。

 

臨床心理士として、PTSDを抱えている患者さんに対するカウンセリングで、一番重要視すべきことは、「基本的な人間関係の安全性を保障する」ことだ。

 

 

 

日常生活の中で成立する人間関係では、その安全性は完全なものではなく、突然壊されるリスクがある。

 

他者はいつ「物理的攻撃」や「精神的攻撃」をしてくるか分からない。

 

しかし、それに対して警戒モードをオンにし続けると、対人コミュニケーションが円滑に成立しないことになる。

 

だから、臨床心理士は、PTSDの患者さんに対して「絶対的な安全を担保」して、カウンセリングを行わなくてはいけない。

 

 

 

 

 

 

PTSDの症状が強い場合には、精神科医による薬物療法だけでは十分に改善しないことが多く、だからこそ、臨床心理士によるカウンセリング(心理療法)が必要とされている。

 

 

いじめや虐待などの外傷記憶の根が深い患者さんは、認知が固定化されていたり、恐怖の感情が強すぎてしまい、外傷記憶をポジティブなイメージと結びつけるのが難しい。

 

このような患者さんには、「今の健康な部分」に目を向けてもらって、「ポジティブな部分」をつくっていくことが必要である。

 

 

 

 

 

 

PTSDには、いじめや虐待のことを鮮明に思い出す「再体験」、不安感や恐怖心が持続して常に緊張状態になる「過覚醒」、トラウマに関する記憶を思い出させる人や場所、機会などを避けたり、なるべく考えないようにする「回避」の三つの症状がある。

 

こうした症状は、他者や物事に対する不安や恐怖の感情だけではなく、罪悪感や恥ずかしさなどの感情も発生させて、時には、加害者よりも自分を責める気持ちが強くなり、それが希死念慮に紐づく危険性がある。

 

また、トラウマは、自分の人生を萎縮させる恐ろしいものだと感じ、もう立ち向かうことが出来ないと絶望を感じるようになる。

 

 

 

 

 

 

PTSDに対する認知行動療法では、無意識に回避している事柄に向き合い、トラウマに対する想像での暴露や、現実での暴露を繰り返していくことで、「その恐怖心や不安感」は、現実的に「そこまで恐ろしものではない」ことを学習して行く。

 

 

過去のトラウマ記憶を思い出すのは辛いことだが、認知を修正して、「トラウマは過去の記憶にすぎないので、今現在において過度に恐れることはない」という認識を確立する為には、避けては通れない。

 

 

 

過去の辛い記憶(トラウマ)と正面から向き合って、整理をして、中身を正確にとらえて、過度な不安や恐怖を解消するために、臨床心理士を信頼して認知行動療法を受けて欲しい。

 

トラウマ記憶と向き合うことは非常に避けたくなることで、目をそむけたくなるのは当然だ。

 

しかし、だからと言って、回避をしていると、結局、いつまでも心の傷は治癒せず、生活に支障をきたす「生きづらさ」が続くことになる。

 

そして、PTSDのトラウマ記憶が恐怖のあまり、回避行動を継続していると、その恐怖心が強化されて、ますます恐怖の記憶が維持されて、症状が悪化して行く危険性がある。

 

 

 

但し、PTSDの患者さんはトラウマについて、メンタルクリニックで「細かく聞かれるのではないか」と言う恐怖心を抱いている方も多いので、「心の安全を脅かすようなカウンセリング」にならないように、臨床心理士は細心の注意を払わなくてはならない。

 

 

 

特に臨床心理士にとって大事なことは、過去の記憶(学校でのいじめや家庭での虐待)、トラウマの原因について…

「あなたは悪くない」

「自分が悪いと感じてしまうのはPTSDの症状なのだ」

…ということを、患者さんにお伝えして、患者さんに罪悪感や恥ずかしさの沼から脱出してもらい、同時に、臨床心理士によるカウンセリングは「絶対的な心の安全性が担保されている」ことを体感してもらえる心理療法を施すことだ。

 

 

 

外的世界は必ずしも安全ではないが、臨床心理士と向き合っている「この空間は絶対的な安全が保障されている」という想定こそが、PTSDの患者さんを意欲的に心理療法へと向かわせる原動力になる、と思う…今日この頃です。

 

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