ワクチン製造大国インドの新型コロナウイルス感染状況と、デルタ株が発生した流れについて、色々と調べてみた。
The nation, the world's third-most infected, on Sunday reported 78,761 new cases in 24 hours, passing the number posted in the US on 17 July. The rise comes as the government continues to lift restrictions to try to boost an economy that lost millions of jobs when the virus hit in March. An upsurge of Covid-19 in many rural areas continues to be a major concern.
（2020年8月31日）
2020年8月30日、インドの一日の新規感染者は7万8761人。
インドでは、2020年の3月にロックダウンを実施した時に数百万人が失業をした。その後、経済回復の為に政府が制限を緩和して、それが感染者の増加につながったと見られている。特に地方での感染拡大が懸念されていた。
※インド第一波の一日の最大感染者数は、2020年9月16日の9万7894人。
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世界でも有数の製薬大国のインドは、国内で多くのワクチンを製造していた。
そして、2021年1月からワクチン大計画（夏までに3億人のワクチン接種計画）が開始された。
※インドの2021年1月4日の一日の感染者数は1万6375人。
インド 国産含む2種のワクチン承認 (2021年1月4日)
まさか…ここからデルタ株へとつながって行く事になろうとは…このときは誰も知る由もなかった…。
India has formally approved the emergency use of two coronavirus vaccines as it prepares for one of the world's biggest inoculation drives. The drugs regulatory authority gave the green light to the jabs developed by AstraZeneca with Oxford University and by local firm Bharat Biotech. Prime Minister Narendra Modi called it "a decisive turning point". India plans to inoculate some 300 million people on a priority list this year.
（2021年1月4日）
2021年1月4日、インド政府は、イギリスの製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンと、インドのバーラト・バイオテックが開発したワクチンの2種類を承認した。
モディ首相は、「決定的な転換点だ」と評価した。
インド政府は7月までに、人口13億人のうち医療従事者や感染リスクの高い人など3億人にワクチンを接種させる計画を示した。
中国に次ぐ１３億６０００万人超の人口を抱え、新型コロナウイルスの累計感染者数も米国に次いで１０００万人を上回るインドで１６日、新型コロナワクチンの大規模接種が始まった。
印政府は「世界最大の接種計画」とアピールするが、同国初の国産ワクチンに対しては安全性に不安の声も出ている。
（2021年01月17日）
インドの新型コロナワクチンの大規模接種は、成果を上げた。
2021年2月1日のインドの一日の感染者数は8635人。
しかし、再び増加傾向に転じる。
2021年3月1日のインドの一日の感染者数は1万2286人。
「感染拡大を止めるにはワクチンしかない？」
新型コロナワクチンの大量製造国として世界の期待を集めていたインドは、「ワクチン大計画」を進めた。
ワクチン・対中国で世界が注目 インド大使インタビュー 2021/03/11
このとき、イギリスでは、ブラジルや南アフリカで特定された新型コロナウイルスの変異株の流行を抑える為に検査規模が拡大されて、ケント州で新たな変異株が発見された。
従来の新型コロナウイルスよりも感染力が高い変異株（アルファ株）が、イギリスで最も流行している新型ウイルスとなった。しかし、ワクチン接種先進国のイギリスでは感染が拡大しなかった。
2021年1月1日のイギリスの一日の感染者数は5万3285人。
2021年3月1日のイギリスの一日の感染者数は5455人。
2021年5月1日のイギリスの一日の感染者数は1907人。
※現在はデルタ株が猛威を振るっている為、2021年8月23日のイギリスの一日の感染者数は3万1675人となっている。
アルファ株に対しては、ワクチン接種によって感染拡大を防ぐ事に成功した。
しかし…
じわじわと死神（デルタ株）が忍び寄っていた…。
India recorded 260,000 fresh coronavirus cases last week - one of the worst weekly increases since the pandemic began early last year. The western state of Maharashtra accounts for nearly 70% of the national caseload. Experts say that poor adherence to safety protocols is driving the surge. Some say new variants could also be a reason, but it isn't established yet.
（2021年3月22日）
ワクチン接種先進国のイギリスがアルファ株をワクチンで抑え込んでいた時、ワクチン大国のインドでは第二派を迎えていた。
2021年3月22日、インドで新型コロナウイルスの感染者が急増して、1週間の新規感染者は約26万人に上った。国内感染の7割近くが、西部マハラシュトラ州で確認された。
この時の専門家は、「感染対策の不徹底が感染者数を押し上げている」と指摘していたが、変異株があるとの見方については、証明は出来なかった。
そして、ついに…。
A new "double mutant" variant of the coronavirus has been detected from samples collected in India. Officials are checking if the variant, where two mutations come together in the same virus, may be more infectious or less affected by vaccines. Some 10,787 samples from 18 Indian states also showed up 771 cases of known variants - 736 of the UK, 34 of the South African and one Brazilian. Officials say the variants are not linked to a spike in cases in India.
（2021年3月25日）
2021年3月25日、インドで、1つのウイルス内で2つの変異が見られる「新型コロナウイルスの二重変異株」が確認された。
二重変異株は、インドの18州で集められた計1万787のサンプルの中で見つかった。このサンプルからは、イギリス型の変異株も736、南アフリカ型は34、ブラジル型は1、それぞれが確認された。
保健当局が感染力の強さやワクチンの効力などについて調べているが、この時点では「最近のインドでの感染者数の急増とは、関連がない」と言う見方をしていた。
この見通しの甘さが、その後のインド政府による宗教行事（ヒンズー教の大祭クンブ・メーラ）の許可につながってしまった。
インド 2種類の特徴持つ「二重変異型」新たに発見 (2021年3月25日)
まだ、この時点ではデルタ株に対するリスク認識が甘かったと言える。しかし、確実にデルタ株は猛威を振るっていた。4月からインドは第二派に突入して、ここからデルタ株はインドから世界に広がって行った。
2021年3月1日のインドの一日の感染者数は1万2286人。
2021年4月1日のインドの一日の感染者数は8万1466人。
2021年5月1日のインドの一日の感染者数は39万2488人。
変異株の脅威について 2021/04/13
2021年4月13日の日本では、変異株の脅威はアルファ株だった。
まだ、この時点では「デルタ株の恐ろしさ」は正確に日本国内に伝わっていなかったのだろう。そして、インドも、その恐ろしさを正しく認識していなかった。故に、感染状況が増加傾向から感染爆発に転じているのに、インド政府は宗教行事を許可していた。
更にBBCの報道では、インドのヴァルダン保健相は3月上旬、同国の新型コロナウイルスとの闘いは「終盤を迎えている」と発言していた。
おそらくヴァルダン保健相は、「ワクチン大計画によって集団免疫を形成して、新型コロナウイルスを封じ込める事が出来る」と確信していたのだろう。
ヒンズー教の大祭（クンブ・メーラ） 2021/04/14
2021年4月14日は、インドのヒンズー教の大祭（クンブ・メーラ）に多くの人が参加したが、この日の新規感染者数は18万人を超えた。
そして2021年4月22日、ついに…デルタ株は日本に…。
【速報】インドで確認された二重変異ウイルス５件見つかる 2021/04/22
そして、世界に広がって行く…デルタ株の恐怖…。
インド型変異ウイルス、「世界１８か国で確認」データベース分析 2021/04/27
既にインドでは変異ウイルスが2020年の10月に確認されていた。しかし、その時は殆ど脅威とは見なされず、日本のメディアも報道をしていなかった。
インドの変異ウイルスが、デルタ株として世界中で猛威を振るう状況になってしまったのは、一体なぜか？
新型コロナワクチンの大量製造国のインドが、ワクチン大計画（新型コロナワクチンの大規模接種）を開始した後、インドの変異ウイルスは…最強のデルタ株へと進化した。
つまり…ワクチン接種が進むと…。
それから、ワクチン接種が進んでも、「デルタ株に対する集団免疫の獲得は不可能かも知れない」と言われている。
デルタ株を封じ込める手段は、今の所ない…という事か…？
英ワクチン開発責任者「集団免疫の獲得は不可能」(2021年8月12日)
では、長くなったので、続きはまた今度！
最後まで読んでくれた方～ありがとうね～！
