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ヒューマンエラー / ワクチン接種で看護師が高齢者に空気のみを注射

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ワクチン接種を行っている医療現場で、とんでもないヒューマンエラーが発生した。

 

 

 

山梨県富士吉田市は1日、市立病院で先月15日に行われた新型コロナウイルスのワクチン接種で、市内在住の60歳代女性に誤って空気を注射したと発表した。健康被害はなかった。

 

発表によると、担当した同病院の看護師が注射器の抵抗の少なさに違和感を覚え、薬液の瓶を確認すると1回分が余っていたため、空気のみを注射したことが分かった。同病院は微量の空気を筋肉注射することは医学的に問題ないとしている。女性は健康観察を受けた後、1週間後に改めてワクチン接種を受けた。

(2021年9月2日)

www.yomiuri.co.jp

 

 

 

健康被害がなくて良かったよね。

 

 

今回のヒューマンエラーは深刻だけど、過度にこの看護師を責めてはいけない。コロナ禍の医療現場では、医療従事者が精神的にも肉体的にも追い詰められているので、恐らく、この看護師も通常時の医療タスクだったら、このような単純なミスはしなかったと思う。

 

ウィズコロナの医療タスクの中では、看護師も通常の精神状態ではいられない。常に感染リスクを抱えながら医療行為を行っているので、大きな緊張を強いられている。しかも、多くの接種希望者が集まるワクチン接種の現場では、時間的圧力も高い。

 

もちろん、この看護師のミスによって、多くの接種希望者に不安を与えたのは憂慮すべき事だ。でも、「100%安全な医療」なんて存在しないからね。ヒューマンエラーを考える時には「安全は存在しない、リスクのみが存在する」と言う前提を持たなくてはならない。

 

100%安全な医療行為は無理だけど、可能な限りリスクのレベルを下げる努力をしなければならない。

 

医療現場が逼迫していて、医療従事者も通常の精神状態ではいられないコロナ禍で、100%の完璧な医療行為を望むなら、医療従事者は全員疲弊してしまう。

 

今回のエラー(ワクチン接種で空気のみを注射)を繰り返さない為には、「受け入れる事の出来るリスク」「受け入れる事が出来ないリスク」に分類して、「受け入れる事が出来ないリスク」に対しては、作業環境を早急に改善してエラー防止をしなくてはならない。

 

人間側(医療従事者)に働きかけるエラー防止策も必要だけど、これは上手くやらないと個人攻撃に発展してしまう危険性があるから、出来れば、同じエラーが発生しないような作業環境を整える事が、医療機関の責任者と行政のやるべき事だと思う。